睡眠の質と時間をできるだけ改善することは現代人の課題

現代人、特に日本人の生活習慣の中で特にいただけない点として挙げられるのが、睡眠の質の悪さと時間の少なさです。世界中の国々の統計を見てみると、先進国ほど睡眠時間が少ないという傾向がありますが、特に日本の睡眠時間の短さは際立っていて、他の先進国と比べてもかなり少ない数値となっています。日本国内でも地域によって異なりますが、7時間以上睡眠を毎日取れているという人はかなり少なく、平均6時間程度というケースが多くなっています。日中は仕事に集中していますので、それほど睡眠が足りていないという自覚を持つことができませんが、実のところ平均6時間という睡眠時間はかなり少なく、思考能力にも身体面での健康にもかなり悪いものです。

また、睡眠は体を休めるだけでなく、脳を休めるためにも必要です。実際のところ、いくつかの研究では睡眠によって休んでいるのは主に脳であり、睡眠は脳のリセットのためにあると言っても過言ではないということが分かっています。そのため、睡眠不足が続くと、考える能力が落ちてしまって仕事の能率ががくんと落ちてしまいます。また、精神的な影響も強く、うつ病を始めとする精神疾患をもたらすリスクも高まります。精神疾患と睡眠時間の関係というのはかなり密接にかかわっていて、寝られる時間の長さと疾患の重さを比較して判断する医師もいるほどです。もし、特に目立った原因もないのにイライラが続いたり、気分の浮き沈みが激しいという自覚があるようであれば、自分の睡眠時間が足りているかを考えてみることをお勧めします。

私はよく社員の方々に睡眠時間を増やすように言うのですが、大抵の人は仕事や家族との時間で睡眠時間を増やすなんて無理、と答えます。そのような時は、一緒に一日の活動の様子を時間割のようにチェックしてみます。すると、仕事帰りにちょっとお酒を飲んだり寄り道をしたりする時間が毎日数時間ある人は珍しくありません。家に帰ってからもテレビの前にいる時間、パソコンで何かしている時間、スマホをいじっている時間が意外と長いものです。こうした時間は仕事の疲れを癒してストレス発散に必要だと言いますが、実のところこれらの時間を削って睡眠時間を増やした方がずっと精神的にも身体的にも癒しとなるのです。意識すれば意外と睡眠時間は増やせるものですので、一度自分の生活をチェックして削れるところはないかを考えてみましょう。

また、寝る空間も大切です。心地よい照明、お気に入りの寝具や香りなど、眠る空間にもこだわってみましょう。こちらの「医師が教える、睡眠を改善するための21の方法」も参考になりますよ。またこんなサイトもオススメです。「世界睡眠会議」なんだか壮大なタイトルですね(笑)。それくらい睡眠は大事だということですね。

Copyright(c) 心身の健康を保つためにできること. All Rights Reserved.